今回は、10月27日にリリースされた武田と哲也の2ndミニアルバム「Love On Delivery」にまつわるレビューという名の感想です。武田と哲也公式Youtubeチャンネルの楽曲解説(武田と哲也のLet's Talk!)と被るような部分もありますが、それでもお付き合いいただけたら幸いです。
・武田と哲也とは
ゴスペラーズのリーダー村上てつや(哲也)とSkoop On SomebodyのVo.TAKE(武田)の二人からなる『ジャパニーズ・セクシー・ソウル・デュオ』
お二人曰く「お互いの普段の活動から離れて、楽しくやってる部活みたいなもの」……とのことですが、曲のクオリティはどう考えても部活のそれではない。プロが自由に音を楽しんで、良曲ばかり作ってます。いい意味で恐ろしい。
1曲目:愛を探してfeat G.RINA
このアルバムを作るきっかけにもなった、2019年に配信、2021年にLPでリリースされた1曲。百聞は一聴に如かず。とりあえず、まずは聴いてみよう。
自然と身体が揺れるナンバーだから、そのグルーヴをとにかく感じてほしい。身体でグルーヴを感じてください。(大事なことなので2回)
私はイントロのハイハットとキックの音だけで「あっ、ダメだ。これ条件反射で揺れる曲だ」って、身体が揺れてます。そこに気持ちいいリズムの鍵盤と歌声が重なるんだ。揺れないわけないし、ずっと聴いていられる。星5つが満点で星6つと言えるぐらい、掴みバッチリです!
(余談ですが……インスタで村上さんがこの曲の試聴会をしてなかったら、私はアナログオーディオに手を出さずに一生を終えていたかもしれない。夜中に聴いて驚いて、翌朝にはLP予約して、後日、県内のハードオフを巡りました。ここでお礼言いたいです。本当にありがとうございます。)
2曲目:SOUL WAVE
個人的には冬でも全然いけるナンバー。
タイトルのWAVE(波)だったり、歌詞やレゲエホーンは夏感があるけど、鐘の音だったり、シンセにはどこか冬っぽさみたいなものを感じます。
曲で浮かぶ情景が、真夏の太陽が照りつけているのに、雪が降っている海岸。そんな、ちょっと幻想的な景色が私には見えました。
そして、Mummy-Dさんのラップ。村上さんとTAKEさんでも豪華なのにそこにMummy-Dさんですよ。かっこよさのてんこ盛りとしか。それに……その裏でさりげなくKool & The GangのSummer Maddnesのシンセ聴こえるんですよね。
作曲した村上さんなのか、作曲と編曲手掛けたSWING-Oさんなのか、はたまた別の誰かのアイデアなのか。わからないけど、これだけは言えます。お洒落ですよね。
あと、MVの距離感が近いです。「えっ、距離感バグ発生してない?」と言えるぐらいに近い。ちかいちかい。正直、武田と哲也がサングラスでよかった。これサングラス無しだったら、私は画面を直視できません……。
3曲目:One Lady In My Life
このアルバムのリードトラック。SWEET SOULなだけあって、武田と哲也の楽曲で最も甘いナンバー。例えるならば聴くフラペチーノ。生クリームの上にピンクの砕いたマカロン、下はチョコレート系。いい意味でカロリーや糖分の暴力と言える感じになってます。
これは好きな人には堪らないですよね。あれだけ甘いサウンドをバックに、男性から愛を請われるんですから。「もっと近くで、Lady」という歌詞が魔法の呪文に聴こえちゃってもおかしくはないです。
もしかしたら、私みたいにちょっと胸焼けしちゃう人も稀にいるかもしれませんが……それぐらい、非常に濃厚な一曲です。
また、MVには甘い空間が広がってます。ピンク色の部屋、インパクト強くて頭に残ります。そして、絶対に最後まで見てください。公式サイトに載ってるMV監督のコメントまんまですが、ちょっとした爆弾が置かれています。
4曲目:Let's Talk feat. Kzyboost
10月27日深夜0時。「頭3曲は今日も聴いてたし、4曲目からいきますか……」と、軽い気持ちでこの曲聴いた瞬間の衝撃はヤバかった。
イントロの最初で「baby. Just tell me.」と、低い声で囁かれるって……えっ、ちょっとまってそんなのきいていない。完全な不意打ちで心持ってかれた。(今回TAKEさんが担当した2曲は、どちらも低音で囁いてますが、控え目に言って最高ですよね。)
曲自体はKzyboostさんのTalkBoxとプログラミングだけなので、血が通ってる感じが無く機械的になってます。故に、歌声に注ぎ込まれた熱が際立つ感じになっていて、ものすごくいい。
あと、歌詞もいいですよね。CD届くのに4日待ちましたが、待ちきれずに歌詞を書き起こしたけど……ストーリーも言葉選びも綺麗過ぎて、思わず溜息が出てました。
また、初回限定盤にこの曲のレコーディングドキュメンタリーが収録されていますが、舞台裏とかメイキングに惹かれる私は幸せでした。あれは100点満点で200点です。スタッフさん含めてありがとうございます。
5曲目:The Time Of Love
10月27日深夜0時5分。Let's Talkから立て続けに衝撃に襲われ、聴き終わってからはしばらく寝れなかった。「(これはやられたなー)……どうしてくれよう」って声に出てました。
だって、世界観や雰囲気、めちゃめちゃかっこよすぎでしょこの曲。たしかに歌詞は解釈や考察が難しいかもしれないですが、しっかり韻が踏まれた歌詞だったり、グルーヴ全振りしてる感じとかいいなと思います。
愛以外 夢はイミテーション」の部分、普通に声に出して読むだけでも気持ちいいからすごい。歌に関しては、ただでさえフロウな感じなのに、最後の「踊りだせ」「解き放て」「動き出せ」が、よりいっそう勢いよくリズムに乗ってるのが大好きです。
あと、村上さんとTAKEさんも触れてましたが、柴山哲郎さんのエレキギター。終始耳澄ませて、これだけ聴くのも楽しいのでオススメ。変態に思われるかもしれないけど。でも、細かいリズムのカッティング、間奏での激しいギターソロ。本当にすんばらしいです。
6曲目:Ebony & Ivory
このアルバムで一番夜景との相性抜群と言える曲。
やっぱり生バンドって気持ちいいですよね。込み入ったグルーヴ、音に血が通ってる感じが大好きです。この曲が都会の夜景が似合うのは約束されてるでしょう。個人的には東京のホテルの高層階で聴きながら夜景眺めてたい。あっ、でも東京の夜景を車で眺めながら夜風感じるのもよさそう。
終盤のフェイク、聴く度に感電死しますね。武田と哲也のレコーディングは、歌よりもフェイクに時間かけると言われてますが……さらっと録れたにしても、相当時間がかかったにしても、どっちにしろすごいでしょこれはと思います。
そして、すごいといえばサックスの本間将人さん。荒ぶるサックスソロには痺れます。(YAMAHAやSHUREで聴くと、音がテッカテカに光ってよりいっそう気持ちいいです。)
もっと知られるべきなのが、The Time Of LoveとEbony & Ivoryの編曲を手がけて、しかもサックスに限らずキーボードにパーカッションもやってるマルチプレイヤー。歌詞カード届いてクレジット欄見て、びっくりしました。
7曲目:シンガソング
シンプルに揺れたくなる曲にはじまり、シンプルにお二人の歌声堪能できる曲で終わる。いいですよね。
とにかく、歌声が聴いてる空間に広がっていく感じが気持ちいいです。シンセの音使いもふわふわしていて、夢見心地な気分になれます。だから……疲れているときに聴くと高確率で夢に誘われます。
まだまだ起きてやることがあるって時には聴かないでください。ぐっすり寝たいときに聴くと熟睡できると思います。(夜中にこの文章を書きながらそんなことがありました。)
おわりに
「もし、1曲だけ推すならどれ?」と質問されたら……もちろん全部と言いたいところだけど、私はThe Time Of Love推します。なぜならやっぱりグルーヴものが好きだから。それに、こういう縦乗りファンクは、まずSkoop On Somebodyでは聴けないでしょう。
今回限りで終わらず、またいつの日か、TAKEさんの作るこういう曲が聴けるのを楽しみにします。
CDまで買って本当によかったです。初回限定盤のDVDとか見てると、大変なんだろうなと思いつつも、村上さんもTAKEさんもとにかく楽しそうでいいなぁ……と、思います。(TikTokやYoutubeでも楽しそうな一面が見れますので、ぜひ。)次回のミニアルバムがリリースされるのがいつになるかわからないけど、のんびり気長に待ってます。