ウルトラ寿司ふぁいやー(通称:ウル寿司)というバンドを推してるんですが、知らない人に勧めたい10曲というプレイリストを作成しました。
「ウル寿司???誰それ???」という人は、まずはこのプレイリストを聴いてみてください。初めて聴く人が2周したくなるだろうという感じにしました。
プレイリストのあとに楽曲紹介や聴きどころの解説を書いてます。
1曲目:全てはエンターテイメント
ウルトラ寿司ふぁいやーの原点であり始まりの曲。まずは全集中でこの曲をじっくり聴いてください。
個人的に2番の歌詞がすごく刺さる。
本当にやりたいこと、やり残したことが「文章を書くこと」だと気づいたのは、私は大人になってからなので。それでもいいんだと前向きになれる。
そして、昨今のSNSや世の中の動きを見ていると、日々を楽しく人生を生きていくという、シンプルだけどすごく大切なことを忘れている人がいっぱいいます。
そんな人こそ、この曲を勧めたい。
2曲目:アナタはシャイニングスター
1曲目で曲について多く語らなかったのは、2曲目との成長の振り幅を感じてほしかったからです。3年でメンバー全員がメキメキとスキルアップしてる。率直に言ってすごい。
特にわかりやすいのが花形であるしょーりんさんとJぺいさん。しょーりんさんの歌声には深みが出ていて、Jぺいさんの歌声はビブラートの揺らぎとリズムに乗って歌う感じが全然違う。
プレイリスト聴き終わったら7回ずつ聴いて聴き比べて、この違いにゾクゾクしてほしい。
3曲目:このあとすぐ!!
「これは音の宝石箱や〜」と、私の心の中で彦摩呂さんが言ってる。
めちゃめちゃ込み入ってるサウンドなので、いい音で聴けば聴くほど音が引き出されるから、とにかく楽しい。
ミックスを担当している翼さん曰く「音数がとにかく多くて、音を混ぜるのが大変だった」そうです。
2番ではボーカルの裏でなめちゃんのキーボードとまじくんのサックスがデュエットしてるのは気持ちいいので必聴!
4曲目:三茶Funky
最初の10秒聴いたら間違いなく曲に飲まれる。ベース→エレキギター&ドラムect……楽器が増えてくのがワクワクしかないし、尚也さん、加部さん、翼さんの作るグルーヴ聴いてると絶対脈打つなにかがある。
間奏ではまじくんのサックスとなめちゃんのキーボードも加わり、楽器隊総動員での極太グルーヴサウンドになってるの、最高。
そして、しょーりんさんのシャウトや荒ぶる感じかっこいい。ホント男前なエンターテイナーだと思います。
終盤のガヤガヤしながら「1、2、三茶Funky」と皆で歌うところは、ふざけたりハジケたりしてる感じがいい。
尚也さんらしきデスボイスも聴けますので、左耳を研ぎ澄ませよう。
5曲目:STAY HOME
クール雰囲気の曲に、熱いお祭りのメロディーとビートをねじ込むのは最早アート。超痺れる。In鮪ダクションのCDが現代美術館に収蔵されるのはいつですか?されないとおかしいと思うんですけど!!!←
都会の冷たさに対して風刺が効いたラップパートの歌詞も好きです。特に
挨拶ねぇ 目を見てくれねぇ 都会にいるのに村八分?
はすごく大切なことに触れてる。
また、イントロからアウトロまで終始スパイスとして活躍してる加部さんのギター、一度は全集中で聴いた方がいい。
6曲目:なんたってSUMMER
イントロのハーモニーとクラップで揺れる準備万端にされてから、ドラムとベースが聴こえてくる。こんなの絶対揺れてしまうっての。
特に、尚也さんのベースの太い音が酔いしれるぐらい気持ちいい。
私はドラムという楽器が大好きなんですが、この曲には細かすぎて伝わらない翼さんの好きなドラムがあるんです。
それが、サビ後半のシンバル、タム、スネア、キックになったときの間。じっくりドラムを聴いて気持ちよさを感じてほしい。
ちなみに、沖縄だと西海岸が似合う曲。
個人的にこの曲と一緒に真夏のデポアイランドに行って、オーシャンビューで海風に吹かれてブルーシールアイス食べたい。(伝われ)
7曲目:ギガガガンガン
たかが100と40字 決めつけられがちな俺の価値
好きなことも言えなくて 下書き保存してる
ハートだらけの虚像を 誰がらしいと決めつけてる
僕の親指が 僕の心を追い越していく
この歌詞すごく大好きです。
特に「僕の親指が僕の心を追い越していく」というフレーズ。文字で書いた自分自身と、リアルとの違いに対して複雑な気持ちを抱いてしまう。
SNS時代のご時世に誰もが1回は経験してるであろうことに、ど真ん中で豪速球投げてる。
なのに、2番が「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ(ポイズン)」ってしっかりネタに振ってるの天才。
ウルトラ寿司ふぁいやーはライブのモットーが「誰がいつ見ても絶対楽C」というぐらい楽しいバンドです。
だけど、STAY HOMEも然り、世の中に疑問を投げかけるようなハッとする感じも、私はめちゃめちゃ推せます。視点や切り口もすごくいいし。
A面でがっつりやってほしいとは言いませんが……アルバムにしれっと1曲挟まってるぐらいでいいので、ちょこちょこあったらいいなと思ってます。
8曲目:Do!
頑張ってなにかをやり続ける全ての人にエールを贈るナンバー。
「やるしかない」そのとおりなんですよね。私はアーティストと聴き手を繋ぐ架け橋的な存在を目指して、いい音楽を紹介したりプレイリストを作ってます。
三茶Funkyでも触れましたが、ドラム、ベース、ギターで作る人力グルーヴがいい。メンバー7人という大所帯だからできる贅沢。
また、Do!は縦が揃う気持ちよさがとってもあります。揃える上での要が翼さんのドラム。シンバルやオープンにしたハイハットにアクセントをつけて叩いてるの、大好きです。
ちなみに、翼さんがミックスも叩くのも大変と話してました。一音一音の全ての配置を考えて、叩く上では根幹となってメンバー6人を支える。影の功労者だからもっと知られるべき。
9曲目:今すぐアナタを愛したい
聴き終わってこの曲をおかわりしたら「今すぐアナタを愛したい」「ダッ・ダララララ♪」のどっちかは無意識に口ずさんでる。それぐらい太いメロディが頭に残るナンバー。
テンションをぐいぐい上げていくホーン、軽快でおしゃれなピアノがめちゃめちゃ素敵。最後のサビのドラムの手数が多くて疾走感あるビートがテンションアガる。
絵本の「ウォーリーをさがせ!」ぐらい探すの難しいけど、左側ですごく小さくクラベス鳴ってるの芸が超細かい。好き。
あと、Jぺいさんの色気にヤラれないようにご注意ください。特にBメロの誘い方がすごいです。
10曲目:Everybody Say
一途さに心があたたまるラブソング。男前エンターテイナーなしょーりんさんにスポットライトが当たったナンバー。
ここまでの9曲通しで聴いたらわかると思いますが、しょーりんさんは低い声でおちゃらけたり、シャウトしたりしてます。
だけど、この曲ではサビを丁寧にファルセットで歌い上げる。そのギャップに心を射抜かれるし、終盤では思いっきり歌ってるあたり、熱い人柄が出てきてるのもすごくいい。
持ち味のラップも健在。書き起こしにはなりますが「知らない一面 新聞一面 脳内で号外が鳴り響いている状態」は上手いなぁと思います。
イントロやところどころで聴こえてくるまじくんのサックス、アウトロの加部さんのギターが曲に華を添えているのもいい。
音楽にとって、コスパが悪いって大事なんだろうな思う今日この頃。
パソコン1台、打ち込みだけで簡単に本格的な曲が作れる時代であるが、やはり人が織り成して作る音楽が心に与える感動は、デジタルで無機質な打ち込みよりも大きい。
数が多ければ多いほどグルーヴの気持ちよさは増大し、ハーモニーには厚みが増します。
ウル寿司の音楽では、それをすごく感じることができる。7人活動はコスパがとても悪いけど、大人数だからこそ感じる感動を、彼は奏でてます。
そのうえ、丁寧かつ細かいところまでしっかり作り込んでいる。繊細な技も感じます。
日本のミュージックシーンよ、いい加減彼らに気づいてくれないか?と思いつつ、エンターテインメントを届ける7人がもっともっと羽ばたいていくよう願ってます。