今日は8月13日。Skoop On SomebodyのボーカルTAKEさんの誕生日です。
TAKEさん54歳のお誕生日おめでとうございます。
TAKEさんの誕生日企画はこれで3回目になりますが、去年に引き続き作詞クレジットがSkoop On Somebody(S.O.S.)やTAKEといった単体クレジットから「歌詞を読んでほしい5曲」を選曲し、あれこれ語りました。
(去年の記事や一昨年の記事もよろしければ覗いてみてくださいね!)
歌詞カードはなによりも面白い読み物。それを感じることができれば幸いです。
……と、いうことで。いってみよう。
(※作詞Skoop On Somebody(S.O.S.)は必ずしもTAKEさんが一人書いてるとは限らないですが……そこは、広い心でお願いします。)
1曲目:This New Morning
いつもよりいいことが 起こりそうな予感
笑顔がこぼれたら とまどうよりも僕に教えて
あったかいミルクを ふたりで飲もう
おそろいのヒゲつけて 声あげて笑おう
作詞:TAKE/作曲:KO-IHCIRO
from "HELLOW MELLOW"
こんな二人を次元の隙間からずーっと見てたい。ガン見していたい。それぐらい穏やかな日常にとってもほっこりして癒やされる。
……けど、よく読むとこの歌詞は「笑顔がこぼれたら とまどうよりも僕に教えて」と書かれているんです。
自然と笑顔になってしまうって悪いことでもなんでもないのに、どうして彼女は戸惑ってるんだろうと考えてしまう。
そこに「おそろいのヒゲつけて声あげて笑おう」はズルいって。
きっと2人でソファにくっついて座ってペアのマグカップにホットミルク作って入れていて、顔見合わせてお互い無邪気に笑ってるんでしょう?
灰色に満ちた曇り空の彼女の心が、雲一つない青空にに変わる魔法が描かれていて素敵。
また、この歌詞のすごいところはひらがなの持つやわらかさをフル活用してるということ。
【溢れる→こぼれる/戸惑う→とまどう/二人→ふたり/お揃い→おそろい】
この曲に限らず、TAKEさんの書く歌詞はひらがな、カタカナ、漢字の使い分けが非常に上手すぎて魅了されます。
2曲目:SONG#01
そばに そばに 僕はいるよ 言葉さえ 交わせなくても
瞳 閉じて 想いかさねて この手をつなぎあえるさ どんなときも
いつも 君の ココロの中 溢れる思いは まちがっちゃいないさYeah
Baby 永遠にOh Baby Stand By Me!
君に出逢えたから僕は ひとりじゃない
君のその瞳の中 僕がいる
作詞:SOS/作曲:SOS・Tosh Masuda
from "Singles 2002~2006"
「君に出逢えたから僕は ひとりじゃない」という言葉は、例えば電話越しでも言えると思うんです。でも「君のその瞳の中 僕がいる」は、目の前に相手がいないと言えない。
言葉さえ交わせなくても、想いを重ねたらどんなときでも手をつなぎあえる……も、電話越しでも言えると思うんです。
でも「君のその瞳の中 僕がいる」は、目の前に相手がいないと言えない(大事なことなので2回)
離れ離れなんだろうな、綺麗事ばっかり並べないでよ……と思ってしまう状態で、最後の最後にすぐそばに僕がいると感じさせるフレーズで締める。
この距離を一気に縮める感じにグッとくるし、私は「僕の瞳の中 君がいる」逆視点でも考えてしまうのですが、とてもロマンチックだなぁと思います。
3曲目:恋の炎
このままどこまでも 重なり堕ちてゆこう
燻る恋の炎 燃え尽きるとしても
このままどこまでも 重なり堕ちてゆこう
燻る恋の炎 燃え尽きるとしても
作詞・作曲:Skoop On Somebody from "1997"
歌詞カード見て「落ちる」じゃなくて「堕ちる」だと知ったときの衝撃。いい意味で心のざわつきが倍になった。
「堕ちる」ってどっからどう考えてもマズい恋愛ですよね。不埒さと過ちしか浮かばないよ……それが非常にいいのだけれども。
道理で考えると悪いことではあるんだけれども、それでも強く惹かれる恋って絶対あると思う。そもそも、恋ってするものじゃないしね。
そのうえ上手く火がつかない状態で、たとえ火がついたとしても燃え尽きてもいいという一途な想いが、フレーズを繰り返すことで強調される。
堕ちてもいいと思えるぐらいとても儚く美しい世界観。重なったままじわじわと二人で静かに燃えて、そのまま真っ白になってるんだろうな。
4曲目:wanna,wanna,wanna
So let me come inside 登り詰めたって
そこがゴールじゃない 果てることない愛を
溢れだした雫を oh baby 恥じなくていい
作詞:TAKE・作曲:KO-HEY from"Sing a Song"
書くだけでもちょっと緊張するぐらい、肌を重ねて一線超えてる真っ最中。
なのに英語のフレーズ込みで自主規制しなきゃいけない単語が一切入ってない。これだけ夜感出してるのに隠すセンスが巧み過ぎる。
終わっても深くて長い夜は始まったばかりだと言う感じ。コース料理で例えるならフルコースで前菜を食べ終わってすらない状態でこれだけドキドキしてるのに、恥じなくていいって……いやそんなの無理むりムリ。
無理難題がすぎるって。いや、どう考えても恥ずかしいでしょう。。。。。
けど、好き。すっごく好き(直球)
5曲目:Beautiful Day
それでも僕らは 生きることだけを
この胸に 与えられて 歩いてるよ
意味も解らずに ころがり続けて
いつの日か 振り返れば
きっと Beautiful Days
歩き続けるしかない日々が無駄じゃないということに気づけた一曲。
私事ですが……右も左もわからず手探りで音楽の文章を書き続けて、note時代からだと2年になります。
ふと振り返るように過去の記事を読み返すことがあるけど、少しずつ積み重ねて歩いてきた道のりが、試行錯誤の日々がすごくキレイな景色のように思えるようになったのは、今年この曲をじっくり聴いたある日のことです。
「こんな誰にも直接会えない隔離されたような島で、音楽ライター?アーティストにインタビュー?無謀過ぎるだろ。いい年した大人が一人でおままごとみたいなことをバカみたいやってさぁ」
一人で文章を書いてると、そうやってどこかで醒めた自分が嘲笑ってることがあります。
だけど、今は意味なんてわからずとも必死に続けていればきっと大丈夫……と信じてます。
だって、この曲を作った3人は現在もステージの上で素敵な音楽を届けていますので。続けるしかないと思ってます。
以上の5曲でした。
あらためて、TAKEさんお誕生日おめでとうございます。歌だけではなく、歌詞の世界観、人柄、そして笑顔。どこまでもかっこよくて素敵だといつも思ってます。
素敵な一年になるようにと、遠くから願ってます。