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「聴く」の先へ。音楽の話をしていたい。

Skoop On Somebody『Rise'n'Ride』について思ったこと。

 

はじめに。

Groovin' Fileで『Rise'n'Ride』のレビューを書きましたが、こちらは楽曲レビューとは少し違ったものとなっています。手厳しく辛辣なことを語りましたので、苦手な方には読むことをおすすめしません。

『Rise'n'Ride』という楽曲の取り扱い方や、Skoop On Somebodyの運営に関して思うことを書きました。(※2026年5月18日現在の情報となっています。)

 

 

Groovin' Fileで公開したレビューは、こちらからチェックできます。楽曲の魅力より感じることができたら幸いです。

note.com

 

 

 

 

なぜ、プロデューサーとして【Meteor】の名前を出さなかったのか

 

開口一番に言いたいのは、Rise'n'Rideという曲名は間違ってると思う。なぜなら3人で作ってる曲とは別物になってるからだ。『Rise'n'Ride Prod.【Meteor】』か『Rise'n'Ride Prod by【Meteor】』が正しい曲名だと私は思っている。

 

「Prod」とは「Produce(プロデュース)」の略称。ここ最近、曲名に誰がプロデュースを担当したのかを入れる、もしくはサブスク上にクレジットとしてではなく、曲名にアーティスト名とプロデュースを担当した人の名前も表示されるようになった。

有名どころをあげるなら、Ryousuke"Dr.R"Sakai、Taka Perry、A.G.O.といったところだろうか。

 

プロデューサーの色は楽曲に反映される。今度の新曲って●●をプロデュースをした人じゃん!あの人がプロデュースするってマジ!?……とワクワクしたり、音楽の奥深さを知る入口にもなると思う。クレジット欄を見る楽しさもわかるようになるし、SpotifyユーザーならSong DNAも辿れて面白いからね。

 

Skoop On Somebodyといえば、セルフコンテインドバンド

Skoop On Somebodyはメジャーデビュー当初から自分達で作詞・作曲・編曲・演奏も行う「セルフコンテインドバンド」であること掲げ、30年近く活動をしている。

 

ときにはプロデューサーを外部から迎えることもあった。特に、KO-HEYが抜けてしまった2人時代は、メジャーデビュー以前の大阪時代からの盟友であるJiNがプロデュースを担当した楽曲があったり、メジャーデビュー20周年のときには先程紹介したRyosuke"Dr.R"Sakaiと共に『State Of Soul』を手掛けている。

 

外部を迎え入れたことにより、Skoop On Somebodyの持っていないものが混ざることによって起こる化学変化。それは素敵なことだと思う。

 

 

プロデューサーに「ほぼ全て」を任せるではなく、プロデューサー「も」参加する

……だが、今回の『Rise'n'Rideは』どうだろう。

作詞は【Meteor】と共同だが、作曲、編曲は完全にノータッチ。それどころか、コーラスやTalkBoxまでも参加している。その結果、『Skoop On Somebodyの楽曲』というよりは『【Meteor】に染まりきったSkoop On Somebodyの楽曲』になってしまったと言えないだろうか。

 

  • クワイアーとは違いTAKE、KO-HEY、KO-ICHIROと同じ立ち位置でコーラスに入り、黄金比率のような三声のハーモニーが消える。(Talkboxの後ろでもMeteorのメンバーによるコーラスが聴こえる。)
  • KO-ICHIROのピアノの上にはKO-ICHIROが弾いたか定かではないシンセの音が上塗りされたようなミックスが施されている。
  • 作曲にも編曲にもSkoop On Somebodyのクレジットが無い=KO-HEYさんのビートが存在しない。

 

特に、グルーヴの要となるビートを完全に【Meteor】に委ねてしまったのはなぜだろうか。ピアノとボーカルの2人時代ならまだわかるが、ドラマーであり打ち込みのビートも非常に緻密な物が作れるKO-HEYがいるのに。

Skoop On Somebodyの色は歌詞にかろうじて残ってるぐらいだ。(……でも、クレジットの順番は【Meteor】が先なので、構成割合的には【Meteor】が上である。)

 

サウンドの作りや雰囲気は完璧な90’s US R&Bだが、それはSKOOPではない。

楽曲のサウンドの出来に関して言えば「すごい」を通り越して「恐ろしい」だと思っている。

 

ヘッドホン、イヤホン、スピーカー、スマホのスピーカー……色々と聴き比べてみたが、こんなにバチッとハマっている重低音が聴ける曲は、邦楽では聴いたことがない。

現代に90’s US R&Bの空気感が蘇ったように思えたし、この気持ちよさには多くの人が魅了されるだろうとも思った。

 

だが、それがSKOOP時代を彷彿させるわけではない。『SKOOP時代に目指していたサウンド』ではあったのかもしれないけど、あの頃のSKOOPでは決して無い。

 

重低音の質感とサウンドの雰囲気だけで、人々の心を振り向かせたわけではない。

そこに、緻密なグルーヴやハーモニーが加わり、SKOOP、Skoop On Somebodyというカラーになったのではないだろうか。なのに、それを引き換えにしてまで完全に目指してたサウンドに染まりきってしまう……はたして、そこに、Skoop On Somebodyの音楽はあるのだろうか。

 

MVから感じる突貫工事とコストカット

MVに関してだが、赤と青でR&Bというコンセプトはいいと思う……が、端的に言うとほぼデジタルエフェクトをかけて歌ってる映像に、デジタルの映像を差し込んで歌詞テロップを入れてるだけである。

 

見ていて、突貫工事で作られたようにも思える。背景はずっと真っ白で、加工された3人を映しているだけであり、非常に単調なものである。MVも立派な映像作品であり、なによりYoutubeにずっと残り続ける。音楽よりも映像が優位な時代だからこそ、MVが音楽の入口になる可能性だって大いにある。

 

……もし仮に、限られた状態でしかMVを制作することができなかったのであれば、もう少し考えるべきではなかったのだろうか。映像そのものが非常にキレイに撮られているので、活かす方法はいくらでもあったはずだ。

 

画角やカット割りに変化をつける、ビジュアルエフェクトとモノクロ、カラーをもう少し使い分ける、(可能であれば)撮影してるカメラのレンズ切り替え……もっと工夫をすれば、よりいいMVになっていたに違いない。

 

また、作中で使われてるSkoop On SomebodyとRise'n'Rideのロゴに関してはAI生成を使ったような量産型感を感じるし、再生した瞬間のガラスの破片や夕焼けと海の映像もAIで作られてる可能性が高いと思われる。

人間が作ったものではなく、AIが作ったものを使うのはコストカットができる上に時間効率もいいかもしれない。だが人間ではなくプログラムがアウトプットしたどこか血が通ってない滑らかさ、無機質感を持ったものになってしまうことを知ってほしい。

 

 

杜撰過ぎる公式

これだけ手厳しく辛辣な感想を書いているが『Rise'n'Ride』はすごく素敵な曲だと思う。問題はその取り扱い方だ。

 

SKOOP時代の楽曲を彷彿させると一番最初に告知したこと。そして、ツアータイトルがほぼ完全に外部プロデューサーが作った楽曲であること。

セットリストやライブの内容は横において、セルフコンテインドバンドであることを長年売りにしているのに、その年の看板として大体的に打ち出す曲が制作面でほとんど関与していないのは、いかがなものだろうか。

そして、【Meteor】はコーラスグループであり、R&Bプロデューサーであり、バンドではない

 

本作品は、来年2027年2月でメジャーデビュー30周年を迎えるSkoop On Somebodyが30年の活動を経て、いま一番奏でたいR&Bを表現した楽曲
新進気鋭のR&Bバンド[METEOR]をプロデューサーに迎え制作された本作はSKOOP時代の楽曲をも彷彿させる仕上がりとなっています。

 

Skoop On Somebody公式サイト「News」より引用

(※Skoop On Somebody公式ページはNewsが消えてることがあるので、この記事を書く前にソースとしてスクリーンショットとPDFデータを保存しました。)

 

[Meteor](メテオ)は、日本のR&Bシーンにおいて異彩を放つ正体不明の3人組ボーカルグループであり、R&Bプロデューサー。

Titan・LIBRA・Scorpiusによる圧倒的なボーカル力とコーラスワークを武器に、90年代US R&Bの本質を継承しながら、現代における”本物のR&B”を体現している。

 

Spotifyの[Meteor]プロフィール投稿より引用

 

アーティストや共に仕事を行うプロデューサーのことを公式サイトに正しく記載ができないのは本末転倒だ。そして、この際だから書かせてもらうが、公式SNSはメディア出演の告知をすっぽかしたりすることもある。最近だとNHK-FM「ザ・ソウルミュージックII」にTAKEが単独で出演したことはXで一切告知されなかった。

 

他のアーティストと比較して、はっきり言って酷い状態だ。REJOIN以降、いい曲を作っているが運営側に相当問題があるのを感じる。人材が足りていないのか、単に詰めが甘いだけなのか。

プロモーションが仕事なのだから、しっかりしてほしいと切に願うばかりだ。

 

 

おわりに。

TAKE:やっとここをスタートに、また新しいSkoop On Somebodyということで、今度はちょっと外にまた広げていく作業のタームに入りたいなって思いますね。

佐藤:外というのは?

TAKE:もっと多くの人に届けたいなと言う、また欲が出てきましたね。

 

(Sing Like Talking佐藤竹善のアンダンテ2025年4月26日放送回より一部引用)

 

このやりとりは、去年、大先輩である佐藤竹善のラジオに出演した際に「今後はどうしていきたいか」と佐藤に質問されたときのTAKEの回答である。

 

去年は多くの人に届けたいというような感触はなかった(というか、ライブ映像上映会という真逆なスタイルだった)……が、今年はDEEPとライブをしたり、過去にコラボで楽曲リリースをしたShinnosuke(Ex-SOUL'd OUT)がインスタに登場したり、外へと広げようとしているのが伝わる。この行動が実を結ぶ30周年になることを期待したい。

 

……また、今回のように完全に一任するのではなく、【Meteor】とがっつり向き合って楽曲を作ってほしい。濃厚なR&Bをリアルタイムで体感したSkoop On Somebodyと、呼吸すれば身も心も濃厚なR&Bの空気で満たされそうな楽曲を作る【Meteor】。素敵な楽曲になることに違いないのだから。

 

 

おまけ:『それっぽい』もの作ってみた

私は生成AIをめちゃめちゃ使っていて有料課金もしてるので、もちろん画像生成も触ってます。harimusicjpのヘッダーやfaviconは生成AIで作ってます。

MVに関して触れた際にSkoop On SomebodyとRise'n'Rideのロゴを『量産型感』と書いたので、ChatGPTでharimusicjpで『それっぽい』ものを作ってみました。

こちらにGPTとのやりとりを置いてますので、よろしければどうぞ。