新生ウルトラ寿司ふぁいやー、ここに在り。
ボーカルのしょーりんさんが脱退したときは「これからどうなるんだ……」と不安になっていたけど、それは杞憂だった。
まじくんがリードボーカルを担い、作詞・作曲の場面でも活躍したことによって、グルーヴの緩急の付け方がよりいっそう気持ちよくなってる。まじくんのカラーが色濃く引き出された新生ウル寿司は、ますますグルーヴを感じられるバンドになっていた。
また、Shinnosukeさん、Skoop On Somebodyといった先輩方も『NEW鰓』には参加している。優しい先輩方に囲まれてるなと思いつつ、それが実現するのはウル寿司のスキルの高さが評価されているからこそであろう。
おすすめ曲
その1:パルプンテ
アレンジャーにShinnosukeさん(ex:SOUL'd OUT)を迎えた一曲。ブレイクビーツとループ感のあるビートが驚異的な中毒性を持っている。
ゲームのピコピコ音、Jぺいさんのシャウトもサウンドの素材として使われていて、すごくコミカルに聴こえるのはウル寿司の楽Cな部分だと言える。また、スクラッチを使う部分がキマっているし、間奏で加部さんのギターソロに痺れていたらクラシックのフレーズを使って思いっきり縦を揃えた展開がめちゃめちゃかっこよすぎる。
そこに載っかったとてもフロウな歌声は脳内されてしまうこと間違いなし。1番AメロとBメロのビートによる緩急の付け方、2番の非常にフロウで勢いのあるラップテイストで二人で歌い上げるのは圧倒される。
その2:I know
アコギ一本、フィンガースナップ、歌声だけで作られたシンプルなラブソング。
歌詞が最高すぎる。今までのウル寿司の曲でぶっちぎりで好きどころか、正直2025年で一番グッときた歌詞です。(※2025年9月30日現在)
相手が行動で教えた優しさ、それに対してしまったことへの後悔を感じながらも言い訳をしない気持ちを綴った1番Aメロ、それでもそばにいてくれることで感じる気持ちや、いなくなってしまわないかという不安を綴った2番Aメロ。
好き、だからこそ苦しい部分をすごく上手く書いてると思う。そのうえ、サビを重ねていくごとの展開もすごくすごくいい。
そしてサビの歌詞である。
『愛の愛の真ん中をうまく言えないけどさ 君を1番泣かせたくはないんだよ』
『愛の愛の真ん中へもっと近づけるように 変わっていく気持ちも全部受け止めたいんだよ』
『愛の愛の真ん中は君の中にあるから 向き合って探し続けたいと思えたんだよ』
一番しっくりとくる言葉がなになのか、探し続ける。
自分の想いと向き合って言葉を探して紡いでいくコトって非常に難しくて。向き合うだけ自分自身と向き合って悩んで、この曲の中での答え(愛の真ん中は君の中にある)に辿り着けたような流れにはグッとくるものがありました。『I know(わかった)』と『愛の』で韻踏んでるのも上手い表現。
それをさらっと歌うJぺいさんのハイトーンの気持ちよさ、熱く歌い上げるまじくんのソウルフルな感じ。優しいハーモニーが心地よく包んでいく感じが素敵過ぎる一曲。
細かすぎて伝わらない『NEW鰓』の聴きどころ
その1:『しょーがねーじゃん』のJぺいさんの多重コーラス
Jぺいさんの多重コーラスを堪能できる場所が2ヶ所あります。
まずは1番Aメロ、普段の話し声ぐらいの高さの声にハイトーンボイスの歌声を重ねてた表裏一体感のある多重コーラス。2番Bメロでは、ぴったりと張り付くような感じで重ねた数はわからないけど、ザラッとした耳触りの多重コーラス。
私は多重コーラスフェチなのでニヤけまくってました。多重コーラスはいいぞ。
その2:しょうがねーじゃんの後半ラップ
刻一刻濃くなる臆病
逃亡生活未だ上等
理想通りに生きようとしても
妄想ばっかの日常
そうShort Short重ねLongtime
Swipe Swipe積もるハイライト
頭ショートしようが進むゾンザイに
したくない時間ならとっくに限界
Tap Tapで出るドーパミンは抜群Dopeness
勝者と敗者の美しい構図です
逃げたいけど逃げらんない
「逃げるが勝ち」は?いつ使うねん
サムライスピリッツ大真面目
まず敵は我也
これはラップパートのリリックの引用ですが、まず普通に読むだけで気持ち良すぎる。自分自身への一刀両断とも受け取れるが、夢追い人には絶対刺さると思う。
そして、赤字にした部分は尚也さんのベースがめちゃめちゃ動きがあるのが堪らない。特に『Tap Tapで出るドーパミンは抜群Dopeness』の部分は激しく動くし、まじくんの声といい感じにシンクロしてます。
その3:実家ぐらしのバンドマンでJぺいの後ろで丁寧に弾いてる加部輝のギター
ウル寿司といえば統一感のあるコーラス、そのハーモニーの美しさを堪能できる一曲が『実家ぐらしのバンドマン』だけど、とにかく全集中で加部さんのギターをイントロからアウトロまで聴いて欲しい。
音と音の間を縫うように細かく丁寧に一音一音リズムギターを鳴らしてる。右側から聴こえるので、片側だけ聴いたほうが捉えやすいかもしれない。
おまけその1:DVD付き限定版を買った話。
今回、私は舞台裏を収録したDVDがついたものを買いましたが、レコーディングの映像が盛り沢山でした。嬉しい。
なんにも触ってないレコーディングブースの音源って、そこからしか得られない栄養が豊富なんですよね。アスパラガスは地面に生えた状態のままダイレクトに食べたほうが一番美味しいと言われてるのと同じ。
特によかったのが、I knowのJぺいさん(ブースの外含めてよかった)と翼さん。しょーがーねーじゃんのまじくんです。
なので、買うなら舞台裏付きをめっちゃくちゃオススメします!
おまけその2:とりあえずまじくんについてめっちゃ語らせてくれ
NEW鰓のレビューといいつつ、冒頭や"I know"でまじくんをベタ褒めしたうえで「まだ語るんかーい!」とツッコまれそうですが、語らせてくれないか?←
冒頭でまじくんのカラーが色濃く出たと書いた理由ですが、私が持ってるCD(1st、2ndアルバム+ドレコード時代全部)のクレジットをチェックしても、作詞・作曲クレジットにまじくんの表記があんまりないからです。
だけど、今作では新曲7曲中3曲にクレジット記載があるし、全曲コーラスアレンジも担当、そのうえキーボードもなめちゃんと二段構え。アルバムを聴く人にはこの活躍ぶりに気づいて欲しい。
歌声に関してはビートを乗りこなすのが非常に上手い。強めに歌うところや、鋭い息遣いで歌うところをわかってるからこその、グルーヴのある歌声してる。
歌詞のセンスもよく、世間一般の不特定多数に刺さるキレのあるリリックと、一人に宛てて捧げた想いも綴れる。どっちも自らを曝け出す精神性が問われるけど、方向性が別物。どっちもできるのはすごい。
そして、6人の中で一番音楽好きで相当熱い人なんだろうな~と思います。
好きじゃなきゃ音楽の教員免許なんて取らないだろうし、マルチプレイヤーでもあるし「お金かけてる趣味は?」という質問に対して「さまざまな管楽器」と回答しているし。(楽器そのものが高いうえに、購入後のメンテや管理もあるから絶対大変だと思う。)
Skoop On Somebodyの会報にゲスト出演した際には、音楽1本でやっていく覚悟がある一面も見えたので、めっちゃ頑張って欲しいな〜と、思ってます。
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