harimusicjp

「聴く」の先へ。音楽を紐解くメディア。

『音楽ライター』について今一度考えてみたことと、これから。

 

先日、ジャズライターの柳樂光隆さんの『そういうのも全部ライターの仕事』という、音楽ライターの仕事に関するマガジンを読んだ。

有料記事なので詳しい話は書けないが、そこには、私が知らないライターの世界が書かれていて、すごく考えてしまうものがあった。

2021年から右も左もわからないまま、音楽ライターを目指すためにひたすら書き続けていたけど、ここで頭の中を整理してみようと思う。

 

 

 


そもそも、なぜ音楽ライターを目指したいと思ったのか。


私が音楽ライターになりたいと思った理由は二つある。

 

1.アーティストのことを知りたいから。

小学生の頃、アイドルが好きだったときはアイドル雑誌を月1~3冊買ってそれを読むのが楽しみだったし、グッズにアーティスト・ブックがあれば集めてセルフライナーノーツ、楽曲制作やツアーの裏側を読んでいた。

「いいな」と思った音楽のことは聴くで終わらず知りたい。アーティストのパーソナルな部分や考えていること、楽曲制作の裏話を知ることで、よりいっそう音楽を聴くのが楽しくなったりする。

 

どちらも既に廃刊になってしまったが、"Bleath"や"Interview File Cast"みたいな厚みがあって両ページ活字三段構成のぐらいの長文インタビューはアーティストが作品に加えて人間性も語ったインタビューが非常に面白かった……のに、Webメディアでそういう記事はすっかり見かけなくなってしまった。

何年かかるかわからないけど、ゆくゆくはそういう記事を復活させたいと思っている。

 

 

2.もっと多くの人によりじっくりと音楽を聴いて欲しい。

配信が主流になったことで、手軽に何度でも聴けるようになったからこそ、記事を読んで隅々まで音楽を聴いてじっくり堪能して欲しい。昨今はPodcastや動画や音声の解説が普及しているけど、それとは違って聴きながら読むことができるのが文章の強みだと思ってる。

 

記事を読みながらじっくりと音楽を聴くことによって、よりいっそう音楽を知って感じてほしい。

 

 

 

そのためにはどうすればいいのか

柳樂さんの『そういうのも全部ライターの仕事』を読んでいると、音楽ライターとして活動していくうえでの方向性を考えていくことが大事と書かれていたので、私がやりたいコトはなんだろう?と、少しだけ考えてみた。

 

 

1.読者へ:音楽をより深く楽しむ体験を届ける

私が音楽ライターとして最も大切にしたいのは、より多くの人に音楽を深く味わう楽しさを届けること。これまで記事を書いていてスマホのスピーカーで音楽を聴いてたけど、ヘッドホンを買って音楽を聴いて新しい発見をしている』『記事を読んだのがきっかけで音楽を「聴き込む」ことを始めた』という感想が読者から届いた。こういう人をもっと増やしたい。

 

・耳を育てるということ

私が書く文章は音楽を文脈で語るのではなく、サウンドを細かく解説したりするものだ。

例えば、ボーカルの裏にいるドラムのかっこよさ、コーラスのハーモニーの鳥肌感、ギターに痺れる感じ、ベースに酔いしれる心地よさ、鍵盤に心持ってかれるect...

記事を読んで、リスナーが隅々まで音楽を聴くようになり、様々な音に耳を傾けてよりいっそう音楽を楽しめるようになったら嬉しい。

 

・歌詞の奥深さを伝えるということ

私は歌詞というものがめちゃめちゃ大好きで、特に邦楽の歌詞ほど奥深くて面白い読み物は無いと思っている。日本語(漢字、カタカナ、ひらがな)と英語が普通に出てくる表現豊かな邦楽の歌詞の魅力も伝え、その魅力を語っていきたい。

 

2.アーティストへ:『聴くべき音楽』が埋もれてしまわないような居場所を

楽曲を隅々まで聴き込み、サウンドの解説などを行い、私にしか書けないような読み応えのある記事を書いていく。アーティストが音楽に込めた想いを紐解き、リスナーを音楽の奥深くへと導いていく。どこにも無い、新しいカタチの居場所を作っていく。

 

・未発掘アーティストの発掘と紹介

昨今の音楽はShortやTikTok映えするような曲が増えていて、そこを上手く押さえたら一気にバズの波に乗って売れているような気がする。

けど、それは消費される音楽に繋がりやすいし、3年近く邦楽の若手をや新譜を掘って気づいたのは、それをしていない素敵な曲っていっぱい眠っている。そういう人達や楽曲を掬い上げていきたい。

 

・もっと聴かれるべきと思う楽曲の紹介

例えばSkoop On Somebodyはもっと聴かれるべきだと心底思うし、去年だとOfficial髭男dismの"Rejoice"はもっと話題になってもいいだろうと思った。他にもウルトラ寿司ふぁいやー、Penthouse、KEI_HAYASHIさん、森大翔さんもすごいのに、そこまで話題になってない気がする。

そんな楽曲についても語っていきたい。

 

 

3.自分自身の挑戦

個人メディアという強みを活かして、様々なことをやっていきたい。例えばZINEを作ったり、誰かと一緒になにかをやってみたり。一人でも多くの人が音楽を楽しめる方法を模索したい。

 

・ブラックミュージックの「入口」になる。

私がブラックミュージックを聴き始めた頃、何から聴いていいのかわからないというのがすごくあった。最近ようやく「知ってる!」というものが増えてきた。(それでも、引き出しは狭いとすごく感じる。)

 

だからいつか、私なりの「地球の歩き方」よろしく「ソウル/R&Bの歩き方」とかを作ってみたい。大変だと思うけど時間をかけて私なりの答えを出して、誰かのブラックミュージックの入口になれたら、最高だと思う。

 

 

 

おわりに。

この記事を書きながら"hari's music blog"から"harimusicjp"という個人メディアへと名称を変えた。インタビュー記事の記載をするのであれば、ブログではないと思ったから。

 

実際、辞書を引いてみると

《ウェブ上の記録を意味する「ウェブログ」の略》個人の日記などを、簡便な方法で作成し、公開することができるウェブサイトの総称。パソコンだけではなく、携帯電話などを使って更新できるものもある。ブログサービス。 (小学館 デジタル大辞泉より)

と、書かれてる。

 

そのときに思いついたのが『「聴く」の先へ。音楽を紐解く個人メディア』というキャッチコピー。

ただ、音楽を聴くでは終わらない世界に読者を導いていけたらいいなと思ってます。

 

ここまでお付き合いいただいたあなたに感謝です。

今後もhari、並びに"harimusicjp"をよろしくお願いします。

 

 

2025年6月2日 hari