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Skoop On Somebody "GOOD NEWS Release Party"配信ライブレポ

 

"GOOD NEWS Release Party"、すごすぎでした。"GOOD NEWS"って一度で二度美味しいアルバムだと思った。

 

完全に3人で作った4曲("I WISH I KNEW"、'SHAPE OF HEARTS"、"MY HOMEWORK"、"LOVE STORY")はサポートメンバーが入るコトによってかなり変化するし、とみやんさん(富永寛之さん)がギターを弾いていた曲を知念輝行さんがやることでも変わる。(この二人は本当に対極のギタリストだと思う。)

くわえて、今回のサポートコーラス(結城賢吾さん、Chikaさん、田中雪子さん)は全員個性的でいい声で一人一人しっかり聴こえるのもよかったです!

 

REJOIN以降の配信ライブは全て見てますが、初めて「リリパの音源配信して欲しい」とも思った。リリパはお祭りだから悔いなくアーカイブ思いっきり楽しむ(し、聴きどころを満遍なく書くぞ!)という感覚だけど、これは1週間で聴けなくなるのはもったいない。

 

……と、言うことで今回も余すコトなく徹底的に見どころや聴きどころを紹介していきます。

このライブレポを読みつつ、じっくりライブを聴いたり、原曲と聴き比べたり。楽しんでいただけたら幸いです。

 

 

 

 

 

LOVE OR NOT

原曲ではTAKEさんがいくつ声を入れたのかわからないぐらい多重コーラスをしてる(し、私はそれが大好き過ぎる)けど、ライブでコーラスが入ることによって音がガラッと変わるのもいいなと思った。

 

Christmas Live Tour配信ライブレポでも書きましたが、ゆっきー(田中雪子)さんがTAKEさんのファルセット部分を担当すると、独特の色気が出てマジでドキドキする。結城さんの声もよくて、Aメロで聴けるファルセットもBメロの低い声も気持ちいいし、サビの声もいい。(つまりとにかく聴いて欲しい。)

 

KO-HEYさんのドラムの聴きどころは3つ。1つ目は1番Aメロ「あらわになる愛の姿に」の部分のタムの音が歌声とハマっていて、リズムの縦が揃う気持ちよさがある。2つ目は間奏でTAKEさんが「KO-ICHIRO!」と呼んだタイミングでKO-HEYさんがマシンガンみたいな疾走感のあるスネアを叩く。(これめっちゃ好き!)

3つ目は間奏明けの「その先に広がる世界」では知念さんのギターとタムの音の縦が揃う。全部聴いて欲しい。

 

あと、とみやんさんと知念さんのエレキギターが別物。知念さんは音が鋭く、歪みが効いていて、細かくピッキングをするサウンド、最後のギターソロなんてアガりっぱなしでした。

(てか……TAKEさんマイクスタンド倒して歌うだけでなんであんなに絵になるんでしょうね。かっこよすぎる。)

 

 

 

JOY AND PAIN

棹物(ギターやベースのこと。つまり知念さんと小松さん)が良すぎるので聴いて欲しい。極太の小松さんのベースは存在感抜群、そこに知念さんのギターが絡みついたり、細かいピッキングでリズムを刻んだり、絶妙なグルーヴ感があってこれだけで私はご飯おかわりイケます←

終盤の「向き合うものならば」のところで知念さんがギターを2回かき鳴らすけどすんごい気持ちいい。

 

アウトロで互いを刺激してグルーヴが熱くなっていく感じ、これこそライブだよねとすっごくワクワクする。

「偽りも真実も現実も」の手前でKO-HEYさんがスネアを軽く連打し、「向き合うものならば」「どこへ向かうのだろう」のところでは知念さんがすごくいい隠し味みたいなギターを鳴らしていて、そこに反応するようにKO-HEYさんがドラムを派手に叩くのがかっこいい。

……だけではなく、そのあとの展開が最高。300%ヤラれてしまうTAKEさんのファルセットのフェイクに続き、KO-HEYさんのスネアの連打をしたり、KO-ICHIROさんのピアノの打楽器感が強くなったり、知念さんの音がそっと入ってきたり。(TAKEさんの"Sounds good me."に秒で応える感じ、圧巻もの!)

 

 

 

沈まない太陽

スーパー小松のオヤビンタイムその1。(訳:ここから打ち込みベースの曲が続く。)

打ち込みから小松さんの極太生音に変わるコトによって、身体にくる重低音とどっしりとしたブルースのグルーヴを味わうことができる。

 

ぜひともやってほしいのが、ずっと知念さんのエレキギターに全集中して原曲のとみやんさんの音と聴き比べをすること。とみやんさんといえば流れるような音や揺らぎを聴かせるように弾いく音が特徴的ですが、知念さんは鋭くエッジの効いた音や細かいピッキング、手数の多さが特徴。

このアプローチの仕方の違いを存分に楽しんで欲しい。

 

 

MY HOMEWORK

スーパー小松のオヤビンタイムその2。

小松さんが細かくリズムを刻むベースが有機的でとっても気持ちいいので、それに身体を預けて揺らすのがとっても楽しい。

また、コーラスのハーモニーもすごく感じ取れる曲でもある。"Here's my homework fu..."の部分では3声キレイに出てるし聴き取りやすいので耳を傾けて欲しい。

 

TAKEさんが歌いながら「綺麗な横顔 ずっと見ていたいな」のときの表情が完全に曲に入り込んでてカメラ目線でも無いのにドキドキした。「今僕らは Yes!(人差し指立てて上に向けて) ここにいる(TAKEさん自身が立ってる場所を指さして)」のところといい、歌いながらお芝居してるのよすぎる。

 

 

 

LOVE STORY

スーパー小松のオヤビンタイムその3。

小松さんのうねりのある重低音がガッツリ鳴っていて、聴き応え抜群のグルーヴになっている。(特に、サビの「吐息で溶けていく」「悲しみ鎮めて」「僕らを見守る」の後ろのめちゃめちゃ動きのある部分を聴いて欲しい。)

2番サビになると知念さんの音と絡み合ってから、続くKO-HEYさんのドラムがちょっと間を置きながらタムを叩くのが気持ち良すぎる。

 

そして……ハイパー知念輝行タイムと言えるぐらい、知念さんの音が素晴らしいのでぜひ一度ずっと知念さんのエレキギターの音を追っかけ続けて聴いて欲しい。ずっとグルーヴの僅かな隙間に的確に気持ちいい音をいれてくるけど、これがマジで職人技過ぎる。終盤の長く尾を引くようなサウンドはすごくドラマチックに曲を演出してて最高。

 

 

コントラスト

KO-ICHIROさんのピアノソロ明けのコーラスを聴いて欲しい。コーラスが皆個性あるからしっかり3人聴こえる。ゆっきーさんは伸びる声で歌い、結城さんとChikaさんは歌詞を歌っている。曲に立体感が出ていて素敵なので、ピアノソロからコーラスの声を耳に染み込ませて、ソロ明けのハーモニーをしっかり感じ取って欲しい。

 

ラスサビのKO-ICHIROさんのピアノは聴きどころ。「ずっとそばにいて」のときに高い音から低い音へと滑り落ちる感じ、「耳をすませよう」で高い音ばっかり鳴らしている。(これは映像がカメラがKO-ICHIROさんになってるからわかりやすい。)

「小さな声に」は歌声をおっかけるようにリズムにクセがあるピアノをふわっと弾いてるけど、気持ち良すぎるので全集中で感じて欲しい。

 

 

 

SHAPE OF HEARTS

圧倒。最初すごすぎて言葉が出てこなかった。ただただ圧倒されていた。

TAKEさんの歌声がビブラートではない、感情的な声の震えをしている。とっても曲の中に入り込んでいる感じがすごくあって、訴えかけるものが強くて……こんな声聴いたこと無い。思考が真っ白になるぐらい、TAKEさんの放つ空気に引き込まれた。

(特に「この瞳 この痛み Fly out 揺らいで」「ひとつひとつ外して 素肌になる想いに」「その声に その笑みに Hold out 抱かれたい」の3フレーズはすごいとか通り越してる。)

 

そのうえ、KO-HEYさんもすごい。最初のサビに入るタイミングでしっっっっかり映ってますが、マレット(先っぽに布(フェルト)がついてるもの)をひっくり返してドラムを叩いている。なのに普通にドラムスティックでドラム叩いてるようにしか聴こえない。すごすぎる……。

 

I WISH I KNEW

最初にKO-ICHIROさんが弾いたDX7のキラキラした音が響き渡ったとき、思わず息を飲んだし一気に心拍数があがった。(※一番好きなシンセの音色。あの澄んだ音が大好き。) 

この曲でもTAKEさんの歌声に心を奪われていた。しっかりとマイクを握って、ほぼずっと目を瞑って歌ってる。感情の込め方が普通じゃない。非常に心にくるものがあった。

 

 

 

ANSWER~歓びの歌~

そのままDX7の音で繋いで、クワイアーのハーモニーが響き渡ったのは痺れた。ガラッと空気が一気に明るくなったのは気持ちよすぎる(し、DX7のキラキラサウンドは続投でまるっと一曲使われていたの超嬉しかった……!!)

この曲のライブでの聴きどころといえば、追加アレンジ(キックとTAKEさんの歌声だけになるところ)。コーラスの声がChikaさんの声がキレイに響き渡ってて超気持ちいい。

 

そしてなんといっても、KO-HEYさんがすんごい楽しそう。カメラが引いて全体を映してるときもわかるぐらい超絶笑顔、観客をドラムスティックで指して煽りまくってる。最後のシンバル叩きまくってるときは思わずスティックを片方投げてしまうぐらい、ハンパないぐらいテンションがアガってる。

このKO-HEYさんのニッコニコの笑顔からしか得られない栄養がある。

 

GOOD NEWS

TAKEさんが曲に入り込んでいってるのがすごい。2番以降は表情が完全にお芝居の役者さんみたいであって、とても楽曲に引き込まれる。

この曲といえば、やはりコーラス。2番サビ以降は3人共がちゃんと声が聴こえている。誰一人として完全に埋もれきったり溶け込んだりしていない。

一番外側の音だから感じ取るのが大変かもしれないけど、最高なので無理しない程度に音量をあげて聴き取れるか挑戦して欲しい。(個人的に結城さんの太い声好き。)

 

最後の最後、知念さんがエレキギターがすっと入ってきて思いっきりかき鳴らされて(しっかりとカメラに映ってるのが嬉しい)、KO-ICHIROさんが打楽器ピアノを入れて、KO-HEYさんが思いっきり笑顔で気持ちよさそうにシンバルを連打している。この流れが素敵過ぎる。音楽っていいなと改めて思った。

(このときのKO-HEYさんの笑顔も最高なんですよね……ホント、観てる側も自然と笑顔になります。)

 

 

 

NOTHING EVER CHANGES

ライブ終盤なのにTAKEさんのファルセットがまだキレッキレ。まだそんな高い声出るんですか……!?(しかも、この公演は2ndという。)

あと、TAKEさんがラップパートが超すんなり歌えるようになってる。かっこいい!

 

また、細かすぎて伝わらないKO-HEYさんのドラムのライブアレンジが3つあります。ひとつは、サビでハイハットが細かくビートを刻むのを取り入れてる。ずっと細かいじゃなくて、定期的に入ってくる。この緩急感がめちゃめちゃ気持ちいい。

もうひとつは、1番のサビの終わりに勢いよくスネアを叩くところ。一瞬の出来事なのにすごくいいスパイスになってる。そして、曲の終盤の"Nothing ever changes..."で、タムを盛り込みまくってシンバルマシマシにしてる。派手なサウンドにはアガる。

 

TINY STEPS

KO-ICHIROさんのピアノソロを聴きながら知念さんのエレキギターも聴いて欲しい。ソロが始まるときに軽く鳴らされて、そのままピアノと音が絡み合う感じがいい(し、そこにさらにコーラスの厚みのあるハーモニーが加わるのがまたいいんですよね。)

 

KO-HEYさんのドラムは「ドラムみたいに」のところがスネアロールからスネア連打に変更されてますが、壮大になっていく感ではなく勢いよく曲が流れていく感じがあって好きです。アウトロではKO-HEYさんのスネアの「タタタタタ タタタンッ!」からバトンを受けて知念さんのエレキギターが絶妙なリズムを刻んでくる。ここの繋ぐ感じが堪らないです。

 

(……あと、KO-ICHIROさん、KO-HEYさんのソロパートの前にTAKEさんが身振り手振りしながら絡んでくるの好き。二人が対応できるのすごいなって思うし、なにより見てて楽しい!)

 

 

 

 

おわりに。

 

今回のライブで一番よかったと思ったのが、TAKEさんが曲に入り込んでお芝居をするように歌うところ。これまでとは一線を画す感じがあって、非常に心をもっていかれたし、多分もっともっと人を引き込む力を持ってる気がする。

このTAKEさんのお芝居を含んで歌う感じって、あんまり見ない気がします。歌ってるとはいえミュージカルではない、かといってもちろんお芝居でもないわけであって。これからどうなるんだろう……と、とってもすっごくワクワクしています。

 

そして、マニアックなところになりますが、KO-HEYさんのスネアの音。今回のライブで使ってるスネアは連打したときの音の粒感、抜け方が良すぎて快感がハンパないです。"LOVE OR NOT"や"NOTHIG EVER CHANGES"、"NOTHIG EVER CHANGES"、"TINY STEPS"で聴けますが、マジで好き過ぎる。

 

2025年のSkoop On Somebodyはどうなるのだろう。楽しみすぎです。

 

 

【お知らせ】

明日3月20日(木)の22:30からXスペース・インスタライブで『GOOD NEWSをリリパを語る』と題して配信やります。

お時間合う方はぜひよろしくお願いしますm(_ _)m